スマートフォンは、外出先で情報を探したり、友人と連絡を取ったり、気になるブランドのキャンペーンを確認したりするための身近な存在です。米国では、スマートフォンを確認する回数は平均で1日96回と推定されています。こうした利用習慣を背景に、QRコードの利用率は2020年以降、平均で約26%増加しました。
スマートフォンで手軽に読み取れるQRコードは、レストラン、音楽会場、エンターテインメント施設などで、業務の効率化とスムーズな顧客体験の両方に役立っています。近年はデジタル屋外広告(DOOH)でも活用が進み、オフライン広告からオンライン上の行動へ自然につなげる手段として注目されています。
一方で、QRコードを表示するだけでは十分とはいえません。プログラマティックOOH広告の特性を踏まえ、表示場所、視認性、読み取りやすさを設計する必要があります。本記事では、法令や安全面に配慮しながら、DOOHキャンペーンにQRコードを組み込み、広告クリエイティブを行動につながる導線へ変えるための考え方を解説します。
DOOH広告におけるQRコード活用法
DOOHキャンペーンでのQRコード活用は比較的新しい取り組みですが、導線を明確に設計すれば広告の役割を広げられます。次回のキャンペーンで検討しやすい活用例を紹介します。
ウェブサイト・ランディングページ・SNSへ誘導する
商品やサービスを訴求する際は、DOOH広告からウェブサイトやランディングページへ直接誘導できます。Webサイト用QRコードを使えば、広告で伝えきれない詳細情報や申込みページへスムーズにつなげられます。LINE、X、Instagram、YouTubeなどの公式アカウントへ案内する導線としても活用できます。
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アプリのダウンロードを促す
認知拡大や比較検討を目的とするアッパーファネルのキャンペーンでも、QRコードは有効です。モバイルアプリのダウンロードページへ誘導すれば、新規利用者の獲得やユーザーベースの拡大を後押しできます。
実店舗へ案内する
店舗への来店を促したい場合は、現在地から店舗までの経路を案内するQRコードが役立ちます。Googleマップ用QRコードを広告に掲載すれば、通行中に気になった人が店舗の場所を確認し、そのまま立ち寄るきっかけを作れます。
プロモーションや特典を案内する
限定セールや特典の情報をQRコードから届けることで、最新キャンペーンへの関心を高め、すぐに利用できる導線を用意できます。
DOOHでQRコードを活用する際の重要ポイント
広告媒体ごとの特性や要件を理解することが、キャンペーンの価値を高める第一歩です。DOOHでQRコードを使う際は、次の点を確認しましょう。
キャンペーンの目的を明確にする
すべての広告にQRコードを入れるのではなく、読み取り後にしてほしい行動が明確な場合に活用します。たとえば、新商品の限定オファー、アプリのダウンロード、店舗への案内などです。ブランドや商品の認知向上だけを目的とする広告では、必ずしもQRコードは必要ありません。
高速道路沿いのビルボードでは使わない
QRコードを読み取るには、その場でスマートフォンを取り出し、カメラを広告に向ける必要があります。運転中の読み取りは危険であり、地域によっては高速道路沿いの広告でQRコードの使用が規制される場合もあります。安全面を最優先に考え、運転者が見ることを想定したクリエイティブや、立ち止まれる時間が極端に短い場所での使用は避けましょう。
目立たせすぎない
QRコードは、DOOHクリエイティブの体験を補完する要素です。広告の主役であるメッセージやビジュアルを損なわないよう、大きさや配置を調整しましょう。コードだけが目立ちすぎると、本来伝えたい訴求が弱くなるおそれがあります。
DOOHクリエイティブでQRコードを活用するためのベストプラクティス
DOOH広告にQRコードを取り入れる目的が定まったら、次はクリエイティブ上の設計です。読み取りやすく、広告の意図が伝わる表現を目指しましょう。
クリエイティブの一部として設計する
QRコードは、広告のビジュアルと自然になじむ形で組み込むと効果的です。単にコードを配置するのではなく、メッセージやデザインと連動させることで、広告全体の印象を保ちながら行動のきっかけを作れます。

表示環境に合ったサイズにする
QRコード広告では、適切なサイズの設定が欠かせません。大きすぎるとメッセージやビジュアルを圧迫し、小さすぎると見落とされたり、読み取りにくくなったりします。都市部の大型ビルボードでは大きめに、エレベーター、タクシー、バー、レストランなどの小型スクリーンでは小さめに調整しましょう。目安として、読み取り距離の10分の1をコードの一辺とする「10:1スキャン比率」が有効です。
明確なアクション喚起を添える
QRコードには、読み取る理由を端的に示すアクション喚起を添えます。「今すぐ購入」「アプリをダウンロード」「店舗までの経路を見る」など、次にできることを具体的に伝えましょう。読み取り後のリンク先で何が得られるかが分かれば、行動への期待値も明確になります。

目線とカメラの高さを意識して配置する
カメラがQRコードを捉える角度は、読み取り可能な距離にも影響します。スムーズに読み取ってもらうには、目線やカメラの高さに近い位置への配置が理想です。バス停のように低い位置にあるスクリーンでは比較的読み取りやすい一方、ジムやインタラクティブTVのように高い位置の画面では、下部中央付近に置くと読み取りやすくなります。
滞在時間を考慮する
DOOH広告は複数の広告がローテーション表示されることが多く、1回の表示が15秒以下になる場合もあります。バス停、駅、レストラン、ショッピングセンターなど、一定の滞在時間が見込める場所を選ぶと、広告を確認し、QRコードを読み取る余裕を作れます。
DOOHでQRコードの可能性を広げる
QRコードは、オンライン上の情報、限定オファー、実店舗への案内などへつなげる手段として、DOOH広告に組み込めます。クリエイティブになじむ形で配置し、読み取りやすい場所と画面を選ぶことで、広告接触後の具体的な行動へつなげやすくなります。
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DOOH広告の企画では、表示場所、メッセージ、読み取り後のリンク先を一貫して設計することが重要です。